2019.04.12 Fri
みんなで協力してハコを作る〜シェアコミュニティ投資で拡がる新しいまちづくり〜【南町Talking weekend vol.1】
姫路城の桜がとても綺麗に咲いていて、もうすっかり春ですね。
新年度が始まり、はや4月の3分の1が過ぎました。みなさん、いいスタートは切れていますか?
さてさて、今回は、4月6日にmoccoで開催された新企画イベント「南町Talking weekend」の様子をお伝えしたいと思います。
「南町Talking weekend」って?
「南町 Talking weekend」は、姫路・はりまにおいて、まちづくり・デザイン・教育などの特定のテーマにちなんだゲストを囲み、お酒と軽食をあてにフランクに情報交換できるイベントです。姫路城が見えるコワーキングスペース6階イベントスペースにて、いつもと少し違う特別で知的な空間をしつらえておもてなしします。
記念すべき第一回目のテーマは「まちづくり」。
京都の若手不動産プロジェクト会社である株式会社めい/株式会社ゆいの代表取締役扇沢友樹さんをゲストにお招きし、シェアコミュニティ投資で拡がる新しいまちづくりについてお話いただきました。
シェアコミュニティを通してどのような活動をされているのか。そもそもシェアコミュニティとは?
まちや建物を活用していきたい時に必ず直面する資金や人の問題に、どのようなアプローチで解決していけるのか。
イベントではまず、扇沢さんが取り組まれている事業についてお話いただき、後半では不動産投資型クラウドファンディングが体験できるボードゲームWEFUNDを体験し、ボードゲームを通して不動産小口投資について学んでいきました!
扇沢友樹さんってどんなひと?
株式会社めい/株式会社ゆい 代表取締役 扇沢友樹さん
扇沢さんは京都産業大学で不動産と企業のファイナンスを学ばれ、2011年の大学卒業と同時に株式会社めいを創業されました。株式会社めいは、21世紀の社会に必要な新しい価値や幸せを創出する京都の不動産企画企業です。
株式会社めい のホームページはこちら
現在、株式会社めいでは、若手現代アート作家が共同生活を営む制作スタジオ兼、アートホテルを併設した「KAGANHOTEL-河岸ホテル-」のリノベーションプロジェクトが進められています。京都市中央卸売市場にある、元々は野菜・果物卸売会社の社員寮兼倉庫だったところ改装し、2019年秋以降にオープン予定とのこと。
日常生活の中でなかなか接することのないアート作家に、会いにいけるホテル。宿泊すれば、アート作家さんが制作した作品を部屋の中に飾ることができて、アート作品のある暮らしを疑似体験できるのだとか。世界各国や日本各地から宿泊・鑑賞に訪れると入居作家との新たな関係性を日常的に生み出すことを目的とされているそうです。
moccoのフライヤー棚にも河岸ホテルのフライヤーを置いているので、ご来店の際はお手にとって見てください^^
“投資型”クラウドファンディングって?
みなさんは「クラウドファンディング」をご存知ですか?
moccoでもサイレントフロアの増床にあたり、CAMPFIREというサイトでプロジェクトを立ち上げたことがあります。クラウドファンディングとは、インターネットを通してクリエイターや起業家が不特定多数の人から資金を募ること。
最近ではだいぶ認知度が高まっているようです。
しかし、「“投資型”クラウドファンディング」はどうでしょうか。
私は初めて聞いた時、正直、?????という感じでした。笑
実は、クラウドファンディングの形式は大きく3種類に分類されるそうです。
①寄付型・・・リターンはなく、募金のようにプロジェクトに対して寄付をする(Yahooネット募金など)
②購入型・・・サービスや物(リターン品)を前もって購入してもらう形で資金を集める。(READYFOR/CAMPFIREなど)
③投資型・・・分配金や株式など金銭的なリターンが設定されている。(参考)
「クラウドファンディング」と聞くと、私はリターン品がある②購入型をイメージします。しかし、クラウドファンディングによって集められた資金の金額のうち70%以上が投資型クラウドファンディングによって集められているんだとか。投資型クラウドファンディングは一般的にはあまり浸透していないように感じますが、一口20万円〜という感じで、多額の資金調達が可能なんですね。
投資型クラウドファンディングは関連する法律や制限も多いので、寄付・購入型クラウドファンディングと違ってサイトを運営している事業者は少ないようです。
しかし近年、法改正によってそのハードルがグッと下がったのだとか。
先ほど紹介した「KAGANHOTEL-河岸ホテル-」も不動産投資型クラウドファンディングを使って、資金調達を行うそうです。
現在リノベーション中の河岸ホテル
なんで不動産投資型クラウドファンディングをやるの?
ここで、不動産投資型クラウドファンディングをやる意義について簡単にご紹介します。
扇沢さんが経営されている株式会社めいは、有休不動産に新たな価値づけを行い、不動産を所有するオーナーに提案するんですね。しかし、オーナーにとって大規模な改修工事はリスキーな訳で、本当にその企画がうまくいくのかどうかという不安もあります。
そこで、費用の一部をクラウドファンディングで資金調達するとなると、どうでしょう?
①オーナーが負担する費用を減らすことができますし、
②企画に賛同してくれる人が支援者として目に見えることで、自信にもつながります。
オーナーさんの不安感を和らげ、金銭的な負担も減らすことができるので、事業を進めていく上で不動産投資型クラウドファンディングは有効なんだそうです。
ふむふむ。
不動産投資型クラウドファンディングが体験できるボードゲーム「WEFUND」
さて、いよいよみなさんお待ちかねのボードゲームです!!!
このボードゲームはチームでやります。今回は4人1組で、A・B・C・Dの4チームができました。
まずは、チームで不動産企画を考えます。
各テーブルにランダムに選ばれた不動産の名称が書かれた3枚のカードが用意されています。
「学校」、「寺」、「アパート」といった具合です。
さらに一人一人、別の種類のカードを引いていきます。そのカードには不動産を形容するような特徴が書かれています。
例えば「24時間」、「5坪(17㎡)の」、「防音室のある」といったワードです。
この2種類のカードを組み合わせて、利益を得られるような企画をチームで考えます。
制限時間は5分!!短い!!笑
どんな場所で何をして売上を上げていくかを考えます。あっという間の5分間でした。
各チームで考えた企画はこちらです。
Aチーム:育児がしやすい横丁
10店舗10万円で賃貸 子育て中の運営者さんを募集
Bチーム:山林つきの結婚式場
サバイバル&キャンプ式の婚活イベントを開催
ご祝儀3万円×人数で売上
Cチーム:お墓の横の元銭湯
水に強い特性を活かして花屋を経営。お墓に供えるフラワーアレンジメント/花の売上と墓管理
Dチーム:24時間の学校のプール
ナイトプール/イベントで貸出一晩15〜20万
次は各チームが考えた不動産企画に対して、投資していきます。
不動産投資型クラウドファンディングで投資できる金額は最高100万円までです。
20万円と書かれた紙が5枚(100万円分)用意されているので、それぞれどの企画にどれだけ投資するかを決めていきます。
今回もっとも資金が集まったのはCチームの企画「お墓の横の元銭湯」でした。高齢化社会のニーズにマッチした面白い企画だと思いました!
一人総額100万円の投資先が決まったら、次は利回りを決めます。
たとえ儲かりそうな企画であっても、実際は何が起こるかはわからないものです。
というわけで、
サイコロを振って利回りを決めます。
資金の調達額が大きいほどマイナスになる確率は低くなってはいますが、どの企画もマイナスになる可能性を孕んでいます。
なので、このゲームの勝敗は運次第というわけです!
投資記入用紙に記録して、分配金の合計を出します。
たくさん利益をあげられた人が勝ちです!ゲーム終了です!
おわりに
ゲーム終了後ははゆるりとご歓談。
参加者同士で交流がはかられました。
感想
現在23歳、社会人2年目の私にとって「投資」には馴染みがなく、初めはなんか難しそうだなーという印象でした。
しかし、実際にゲームを通して不動産投資型クラウドファンディングを擬似体験することことで、楽しみながら流れや仕組みを体感することができました!
「まちづくり」の文脈から新たな事業を起こそうとすると、なかなか収益化が難しいイメージがあります。しかし、今回お話していただいた内容は逆からのアプローチだったのでとても新鮮に感じましたし、勉強になりました。不動産投資型クラウドファンディングは資金調達だけではなく、企画に賛同するという共通点をもって新しいコミュニティを作ることができます。今回のイベントの副題にもありますが、これまであまり議論されていない「新しいまちづくりの手法」なのではないかなという印象を受けました。
ゲストの扇沢さん、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました!!