Meetup レポート

デザインMeetup

2020.2.14

【兵庫県・姫路市】デザインを通して「観察眼」を磨くMeetup【デザインMeetup】

コワーキングスペースmoccoでMeetup企画を立ち上げよう!との話が出たとき、真っ先に声をかけた人がいました。

「地元の若者に『デザイナー』という仕事を進路の一つの選択肢として提示していきたい」

播磨地域の魅力を発信するメディア「palette」のインタビューの中でそう語ってくださった、兵庫県加古川市のデザイン事務所「and」のデザイナー、西嶋 輝さんです。

最初の出会いは3年前。場所は兵庫県姫路市のコワーキングスペースmocco。

前職でまちづくりの仕事に関わり始めた駆け出しのころ、「姫路に『コワーキングスペース』という何やら面白い場所があるらしい」と聞いて初めて訪れたときにお会いしました。

それ以来公私ともにお世話になり、クリエイターの先輩としていつも近くで支えてくださった西嶋さん。

手ぶらで地域に飛び込み「何者」でもなかったあの頃。
どこの馬の骨ともわからない、勢いだけの若者だった自分を支え導いてくれた西嶋さんは、Meetup企画を行うにあたり真っ先にお話を持って行きたい相手でした。

その後ご快諾いただき、幾度も打ち合わせを重ね、2020年2月に実現したデザインをテーマにしたMeetup。
今回はそんな「デザインMeetup」の様子をご紹介します。

デザインMeetupとは?

デザインに興味関心がある人が楽しく集い、世の中にある身近なものを観察を通して、考え方や捉え方、観え方を磨き、自分の視点を広げるコミュニティです。

主催するのは兵庫県加古川市を拠点に活動するブランディングデザイン事務所「and」のデザイナー西嶋 輝さん。

1988年2月生まれ。生まれも育ちも加古川市で、兵庫県立農業高等学校、姫路情報システム専門学校のCGクリエイターコースを卒業。兵庫県姫路市の製版会社、大阪府の広告制作会社でキャリアを積んだ後、地元の加古川市で独立。現在姫路市のコワーキングスペースmoccoでスタッフとしても活躍中。

西嶋さんの毎日1デザイン「365days project」は今年で4年目を迎え、毎年地元加古川市の市民ギャラリーで個展を開催。去年は東京でも開催されるまでになり、播磨地域では今やおなじみのプロジェクトです。

撮影協力:SAKASAMA WORKS

東京で開催された「365days project」の個展。

昨年末から「一緒にMeetup企画やりましょう!」とお話をしていて、ついに2020年2月に実現。
兵庫県姫路市のコワーキングスペースmoccoにてこれから毎月開催予定です。

Meetupとは……?

下記の三つを原則とした、少人数で行われる密なコミュニティ。

  1. 「興味ベース」「問題意識ベース」「課題ベース」で集まる場
  2. ただテーマについて話すのではなく「お互いの顔がわかった状態で話す」場
  3. すべての参加者は平等であり、特定の誰かに利する場ではない

継続的に実施し、お互いの仲を深めつつ、新しい参加者にも門戸が開かれている。それが「Meetup」です。

兵庫県姫路市のコワーキングスペースmoccoでは6月から様々な興味関心や課題意識にもとづいたMeetupを開催し始め、5人〜20人規模の少人数ながら密なコミュニティを形成。継続的な開催を目指しています。

文章を愛する人たちが集う「ライティングMeetup」。
カメラ・写真に興味関心のある人たちが集う「フォトMeetup」。
芝居やナレーション、ラジオを始め、声にまつわることに興味がある人が集う「VoiceMeetup!」。
デザインに興味関心のある人たちが集う「デザインMeetup」。
イベント主催者や飲食店・ギャラリーオーナーなど、自身の持つ場をより良くしていきたいとの想いをもった人たちが集い学び合う「場づくりMeetup」。
心理学に興味のある人たちが集まって学び合う「心理学Meetup」。

デザインMeetup @姫路コワーキングスペースmocco vol.1

デザインの第一歩「観察眼」を鍛えるWS

SNSの応募フォーム公開から異例の速さで満席となったデザインMeetup。当日は会議室限界の人数が参加。朝の10時という早い時間にもかかわらず、たくさんの参加者が足を運んでくださいました。

 準備の時間に「次はもう大会議室でやりましょう」との話が出るくらい。
最初に主催者の西嶋さんから全体へ挨拶があり、続いて「Meetupとは何か?」をロペスから説明。この場がどういった場であるのか、グランドルールを皆さんと共有しました。

Meetup開催を重ねるごとに、ガイダンス(最初の導入の段階)はどんどんレベルアップ。何のために何をする場なのか、ていねいに説明するMeetupが増えてくるように。

その後Meetupのタイムスケジュールの説明があり、参加者同士の自己紹介へ。

タイムテーブルはこのような流れ。

集まった参加者の業種はもちろん、一人ひとり参加動機が様々で、

「これからデザインを仕事でしていくにあたり基本を学びたい」

といった人や

「視点を増やして対象物から取得できる情報を増やしたい」

「ブログを運営するにあたり、レイアウトやアイキャッチ画像をつくる際にデザインの考え方を用いたい」

というような、デザイナーではないにしても自身の仕事やプロジェクトにデザインを活かしていきたいと考える人もいらっしゃいました。

メンバーは多様で、初めましての人たちも。

自己紹介が終わり、お互いがどういった背景を持ってこの場に参加しているのかを共有できたところでいよいよデザインMeetupのワークショップ。

プロダクトや広告・ポスター、webサイトなどをお題とし、それら対象物を観察する中での気づきをワークシートに書き出していきます。

良いモノを生み出すためには良いモノに触れ、視点を磨き、得られた情報や感覚を自身の中にストックする必要があります。

良い文章を書くには良い文章をたくさん読み、
良い音楽を演奏するためには良い音楽をたくさん聴き、
良い写真を撮るためには良い写真をたくさん観ることが欠かせません。

これはデザインにも言えること。
このワークショップでは以上を踏まえ、お題である対象物の観察を通し、「何が」「どのように良いのか」を言語化して「観察力」を磨くために設けられました。

いきなり「見て気づいたことを書きましょう」ではなく、観察の際に意識する視点を紹介。観察の手助けとなりました。

初回のデザインMeetupは2月11日開催ということで、バレンタインにちなんだお題「チョコレート」を用意。

一つだけでなく、複数の対象物を設けることで比較対象ができ、より視点が磨かれるのではないかとの狙いから、明治とロッテの板チョコレートを対象物としてワークショップを行いました。

学びをワークシートに言語化し、ポートフォリオとして蓄積していける仕掛けを用意。学びの定着とアーカイブ化を狙った取り組み。

「観察のポイント」にあるように「なぜ?」の視点を頼りに、パッケージの色味、フォント、レイアウト、機能性などを観察しました。 

西嶋さんいわく「実際に手で触れられることが大事」。重さや質感も観察対象になります。

当初「個人ワーク」と「グループワーク」は分けて行う予定でしたが、自然と会話が生まれたため、その流れを大事に進めていくことに。
場の様子を伺いながらベストな方向へ柔軟にプログラムを変えていくのは場づくりの中でもかなり高等技術。さらっと行える西嶋さんの手腕に脱帽でした。

参加者間で自然と気づきが共有される方向へ。

スマホを用いてwebサイトを検索。各社がどういったプロモーションを行なっているのかといった観点からも観察が行われました。

観察が終わったあとは、グループごとに気づきを共有。
グループで出てきた気づき・学びは様々で、

「なぜ熱の伝導性が高い銀紙(アルミ)を使っているのだろう?(1911年までは錫箔だったそう)」

「板チョコは均等に割りにくく、小分けで食べられるチョコに比べて不便じゃない?」

「開けにくく、食べにくく、保存もしにくいプロダクトデザインなのに、なぜここまで生き残って愛されてきたのだろう?」

といった疑問から

「明治は社名をそのまま『meiji』と商品名にしているのに、ロッテは『Ghana』になっている」

「『meiji』に比べて『Ghana』は開け方が書かれていたり、調理法が書かれていたり、情報量が多くて丁寧」

「紙の包装と箱では保存のしやすさが違う」

「『Ghana』は箱を用いているので、立体的なロゴ(エンボス加工)ができ、リッチ感を演出できている」

のような、比較によって生まれた視点・気づきもありました。

ロペスのワークシートはこんな感じ。

対象物の観察を通し、得られた気づきから「もしかしたらこういった狙いがあったのでは……?」といった話にまで発展するケースもあり、みんなで知恵を持ち寄ってああでもないこうでもないと話す時間はとても楽しかったです。

「正解が何かといった話ではなく、視点を増やして解釈の幅を広げ、自身がデザインをする際の一助になれば」といった西嶋さんの狙い通り、多様な視点や気づきが得られるMeetupとなりました。

デザインMeetup @姫路コワーキングスペースmocco vol.2

デザインMeetup第二回は「誌面レイアウト」をテーマに観察WSが行われました。題材となったのは女性誌の『nonno』と『InRed』の二誌。

前回同様二つのグループに別れ、それぞれ顧客ターゲットやテイストの違う二つのデザインを比較対象して観察することで、互いの共通点や相違点をより精細な解像度で観察することができました。

二つの誌面デザインを観察することで得られた気づきは参加者それぞれで異なり、今回は「女性から観た女性誌のレイアウト」「男性から観た女性誌のレイアウト」の二つの視点からの気づきがあって、より違いを楽しむことができました。

今回もワークシートにて気づきを可視化。

全体で共有された気づきの一部をご紹介すると、「雑誌全体で用いられている写真は、『顔の寄り』『身体全体』『バストアップ』の三種類。それぞれメイクや化粧品の写真、全身のトータルコーディネートの写真といった用途が見えた」

「写真についているコピー(文章)は、『いつ、どこで、どのようなシチュエーションで、被写体がどう感じているか』がわかりやすく書かれており、状況がイメージしやすい」

「用いられているフォントがゴシック体や明朝体で、読者ターゲットの年齢に応じて違う」

「ファッション紙はブックラック(書架)に差さっている場合が多く、表紙のモデル写真はその際に顧客と目が合うよう位置調整されている」

など、今回も様々な視点からの気づきが共有されました。

デザインMeetup@姫路コワーキングスペースmoccoを終えて

「クリエイターの仕事は孤独な作業になりがち」

といった話をクリエイター仲間からよく聞きます。

今回のMeetupは、多種多様な参加者が集まって複数の視点をもって対象物を観察することにより、一人では得られなかった気づきや学びが生まれる場でした。

今後も対象の観察を複数人で行い、各々の「観察眼」を磨いていき、回を重ねるごとに気づきや学びがレベルアップしていけるような場をつくっていきます。

ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!

デザインMeetup@姫路コワーキングスペースmocco参加者の投稿

ここからはハッシュタグをつけてMeetupの感想を投稿してくださったみなさんの声をご紹介します。

デザインMeetup vol.1の参加者

デザインMeetup vol.2の参加者

デザインMeetup vol.3の参加者

次月のデザインMeetupの予定

毎月兵庫県姫路市のコワーキングスペースmoccoにて実施中。

詳しくは募集フォームから!(※随時更新中)